ゲームのローカライズの仕事内容とは?

ゲームのローカライズの仕事内容とは?

ゲームのローカライズとは、海外向けにゲームの言語を翻訳するだけでなく、文化や法律、遊び方の違いに合わせて作品を調整する仕事です。主な仕事内容は、ゲーム内テキストの翻訳、台詞の収録、画面表示の確認、文化的な表現の調整、実機での動作確認などです。

ゲームのローカライズとは

ゲームのローカライズは、ある国や地域向けにゲームを適した形へ変更する作業です。英語を日本語に置き換えるような翻訳だけでなく、プレイヤーが自然に理解して楽しめるように、表現や仕様を調整します。

たとえば、次のような対応が含まれます。

  • ゲーム内の台詞や説明文を翻訳する
  • キャラクターの口調や人間関係を調整する
  • 画像内の文字やメニューを変更する
  • 日付、時刻、通貨、単位などを地域に合わせる
  • 文化や宗教、法律に配慮して表現を修正する
  • 翻訳後の文章が画面内に収まるか確認する
  • 実際にゲームをプレイして不具合を探す

ゲームローカライズの主な仕事内容

ゲーム内テキストを翻訳する

最も基本的な仕事は、ゲーム内に登場する文章の翻訳です。キャラクターの台詞、メニュー、チュートリアル、アイテム説明、クエスト、実績、警告文など、対象は多岐にわたります。

一般的な文章の翻訳と違い、ゲームでは前後の場面やキャラクターの性格を理解して訳す必要があります。画面に表示できる文字数や、プレイヤーが読むタイミングも考慮しなければなりません。

キャラクターの口調や世界観を整える

同じ意味の文章でも、キャラクターによって適した表現は異なります。王や兵士、子ども、敵キャラクターなどの立場を考え、語尾や言葉遣いを調整します。

作品全体で用語や設定がぶれないように、用語集や翻訳ルールを作成することもあります。シリーズ作品では、過去作で使われた公式名称との統一も重要です。

文化や地域に合わせて表現を調整する

国によって、自然に受け取られる表現や避けたほうがよい表現は異なります。そのため、直訳ではなく、対象地域の文化に合う内容へ変更する場合があります。

たとえば、ジョーク、ことわざ、敬称、ジェスチャー、食べ物、宗教に関する表現などは、直訳すると意味が伝わらないことがあります。必要に応じて、現地のプレイヤーに伝わる表現へ置き換えます。

画面表示や画像内の文字を確認する

翻訳した文章が、ゲーム画面やボタンに正しく表示されるかを確認します。日本語から英語などに翻訳すると、文章が長くなったり短くなったりするため、文字が枠からはみ出すことがあります。

画像や動画に埋め込まれた文字、ロゴ、メニューの項目名なども確認対象です。翻訳文が正しくても、画面に表示されなければプレイヤーには伝わりません。

音声収録を進行・確認する

音声付きのゲームでは、翻訳した台詞を声優が読み上げるための台本を作成し、収録を進めます。収録では、キャラクターや場面に合った演技になっているか、台詞の内容や発音に問題がないかを確認します。

翻訳担当者だけでなく、音声ディレクター、収録スタッフ、声優、開発者などが関わることがあります。台詞の長さがゲーム内の口の動きや字幕表示と合っているかを確認する場合もあります。

実機でプレイして不具合を確認する

ローカライズ後のゲームを実際に操作し、翻訳や表示の問題を探す作業も重要です。この作業は、ローカライズの品質確認や言語チェックなどと呼ばれます。

具体的には、次のような点を確認します。

  • 誤訳や脱字がないか
  • 用語やキャラクター名が統一されているか
  • 文章が画面からはみ出していないか
  • ボタンやメニューの表示が正しいか
  • 字幕と音声の内容が一致しているか
  • 翻訳前の文章が一部残っていないか
  • 特定の場面で文章が表示されなくならないか

問題を見つけた場合は、発生した場面、再現方法、画面の状態などを記録して開発チームへ報告します。

ローカライズの仕事の進み方

ゲームの規模や会社によって異なりますが、ローカライズはおおむね次の流れで進みます。

  1. ゲームの設定、対象地域、翻訳方針を確認する
  2. 用語集やキャラクター設定、翻訳ルールを作る
  3. ゲーム内のテキストを翻訳する
  4. 翻訳文を編集・校正し、表現を統一する
  5. 必要に応じて音声台本を作成し、収録する
  6. ゲームへ翻訳文や音声を組み込む
  7. 実機で表示、操作、音声、文章を確認する
  8. 見つかった問題を修正し、再度テストする

発売直前まで文章の追加や仕様変更が発生することもあるため、翻訳後の確認や修正が何度も行われる場合があります。

ローカライズに関わる職種

ゲームローカライズは、1人だけで完結するとは限りません。会社やプロジェクトによって担当範囲は異なりますが、次のような職種が関わります。

職種 主な仕事
ゲーム翻訳者 ゲーム内テキストや台詞を翻訳する
ローカライズコーディネーター 翻訳者や開発者、音声収録スタッフとの調整を行う
ローカライズディレクター 翻訳方針や品質、スケジュールを管理する
言語品質管理担当者 実機で翻訳や表示の不具合を確認する
編集者・校正者 文章の自然さ、誤字、用語の統一を確認する
音声収録スタッフ 台本の準備や声優の収録を進める

会社によっては、翻訳者が編集や実機確認まで担当します。一方で、大規模なプロジェクトでは、翻訳、進行管理、品質確認が分業されています。

ゲームローカライズに必要なスキル

高い語学力と文章力

原文を理解する語学力だけでなく、対象言語で自然な文章を書く力が必要です。単語を置き換えるだけでは、キャラクターの感情や場面の意図が伝わらないことがあります。

翻訳する言語と、完成した文章を確認する言語の両方に慣れていることが求められます。

ゲームを読み解く力

ゲームのジャンルやルール、ストーリーを理解する力も欠かせません。用語の意味が、場面やゲームシステムによって変わることがあるためです。

ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、カードゲームなどでは、必要な知識や文章の特徴も異なります。実際にゲームをプレイし、画面上で文章がどのように使われるかを確認する姿勢が役立ちます。

文化の違いを理解する力

対象地域の文化、習慣、表現の受け取られ方を考える力も必要です。原文を正確に訳すだけでなく、現地のプレイヤーに違和感なく伝わるかを判断します。

確認と調整を続ける力

ローカライズでは、多数の文章や用語を扱います。小さな表記ゆれを見つけ、関係者と確認しながら修正する正確さが求められます。

また、発売日や開発スケジュールに合わせて作業するため、複数の担当者と連絡を取り、進行状況を管理する力も重要です。

翻訳とローカライズの違い

翻訳は、ある言語の文章を別の言語へ置き換える作業です。ローカライズは翻訳を含みますが、それに加えて、文化、画面表示、音声、仕様、地域のルールなどを対象地域に合わせます。

項目 翻訳 ローカライズ
中心となる作業 文章を別の言語にする 作品全体を対象地域向けに調整する
確認対象 意味や文法、表現 文章、画面、音声、文化、仕様など
ゲーム特有の対応 必ずしも含まれない 文字数、UI、用語、実機動作などを確認する

そのため、ゲームローカライズの仕事では、翻訳の知識だけでなく、ゲーム制作の流れや画面表示への理解も役立ちます。

ゲームローカライズの仕事が向いている人

ゲームが好きであることは役立ちますが、ゲームをプレイするだけでなく、文章や設定を細かく確認することが得意な人に向いています。

  • ゲームの世界観や設定を読み込むのが好きな人
  • 自然な文章を考えることが好きな人
  • 言葉や表記の違いによく気づく人
  • 文化の違いに関心がある人
  • 複数の担当者と相談しながら作業できる人
  • 地道な確認作業を繰り返せる人

特に、ゲームへの興味と語学力のどちらか一方だけでなく、文章、文化、ゲーム画面をまとめて考えられることが、ローカライズの仕事に生かされます。

ゲームローカライズの仕事内容を理解するポイント

ゲームのローカライズは、ゲーム内の文章を翻訳するだけの仕事ではありません。翻訳、編集、文化的な調整、音声収録、画面確認、実機テスト、関係者との進行管理まで含むことがあります。

仕事内容を確認するときは、求人や募集内容に「翻訳」だけでなく、担当言語、ゲーム内テキストの種類、実機確認、音声収録、進行管理のどこまで含まれるかを確認すると、自分の担当範囲を判断しやすくなります。