ゲーム企画のプレゼンでは、面白さを説明するだけでなく、「誰が、なぜ遊び、どのように完成させるのか」を短時間で伝えることが重要です。企画の魅力、ゲームの具体的な遊び方、想定ユーザー、制作条件を順番に示すと、聞き手が内容を判断しやすくなります。
ゲーム企画のプレゼンは「面白さ」と「実現性」を伝える
ゲーム企画のプレゼンで最初に伝えるべきなのは、そのゲームならではの魅力です。ただし、アイデアが面白そうでも、遊び方や対象ユーザーが分からなければ企画として評価しにくくなります。
プレゼンでは、次の4点を一貫させると内容が伝わりやすくなります。
- 誰に向けたゲームなのか
- プレイヤーは何をするのか
- 何が面白さや新しさにつながるのか
- どのような条件で制作できるのか
つまり、ゲーム企画のプレゼンは「思いついたアイデアの発表」ではなく、遊ぶ人と作る側の両方が納得できる企画の説明です。
ゲーム企画をプレゼンする基本の順番
プレゼンは、聞き手が疑問を持つ順番に合わせて構成すると理解されやすくなります。次の順番を基本にすると、企画の全体像を整理できます。
- 企画の一言説明
- 想定ユーザーと企画の目的
- ゲームの基本的な遊び方
- 面白さや独自性
- ゲームの進行と具体例
- 対応 platform や制作規模
- スケジュールと必要な体制
- まとめと提案内容
1. 企画を一言で説明する
冒頭では、ゲームの特徴を一文で説明します。タイトルやジャンルだけでなく、プレイヤーが何をして、どのような体験を得るゲームなのかを入れるのがポイントです。
たとえば、「町を発展させるシミュレーションゲーム」だけでは、既存のゲームとの違いが分かりません。次のように、行動と特徴を加えると内容が具体的になります。
「限られた資源を住民同士で分け合いながら、災害に強い町を作る協力型シミュレーションゲーム」
この一文を聞いただけで、ジャンル、プレイヤーの目的、特徴の一部が伝わります。
2. 想定ユーザーと企画の目的を示す
次に、誰に遊んでもらいたいゲームなのかを説明します。「すべての人」では対象が広すぎるため、年齢層、ゲーム経験、遊ぶ場面などを具体化します。
- 一人で短時間に遊びたい人
- 友人と協力して遊びたい人
- 物語を重視するゲームユーザー
- 複雑な操作より、考えることを楽しみたい人
想定ユーザーを示すときは、単に属性を並べるのではなく、その人が現在どのような不満や期待を持っているかまで説明すると企画の必要性が伝わります。
3. プレイヤーが何をするゲームか説明する
ゲームの説明では、設定やストーリーより先に、プレイヤーの操作と目的を示します。聞き手が「実際に遊ぶと何をするのか」を想像できるようにするためです。
説明には、次の要素を含めます。
- プレイヤーの役割
- ゲーム開始時に与えられるもの
- プレイヤーが選択する行動
- 行動によって起きる変化
- クリア条件や勝敗条件
たとえば、「カードを集めて戦うゲーム」ではなく、「毎ターン3枚のカードから1枚を選び、仲間の能力を組み合わせて敵の弱点を突くゲーム」と説明すると、遊び方が伝わりやすくなります。
ゲームの面白さは「なぜ繰り返し遊ぶのか」まで説明する
ゲームの面白さを伝えるには、「新しい」「爽快」「感動的」といった形容詞だけでは不十分です。プレイヤーがどの場面で、どのような判断を楽しむのかを説明してください。
面白さは、次のように整理できます。
| 面白さの要素 | 説明する内容 |
|---|---|
| 選択 | プレイヤーが何を選び、何をあきらめるのか |
| 上達 | 遊ぶほど、どの能力や知識が身につくのか |
| 変化 | プレイするたびに何が変わるのか |
| 達成感 | どの目標を達成すると満足できるのか |
| 交流 | 他のプレイヤーと協力・対戦する意味があるのか |
たとえば、「自由度が高いゲーム」と説明する場合は、「複数の攻略方法があり、選んだ方法によって仲間の成長や次のステージが変化する」のように、自由度がどの場面に表れるのかを具体化します。
ゲーム企画の独自性は比較して説明する
独自性とは、単に他のゲームにない要素を入れることではありません。既存の遊び方と比べて、プレイヤーの体験がどのように変わるのかを説明することが大切です。
比較するときは、特定の作品を一方的に否定するのではなく、次の項目を並べます。
- ゲームの目的
- プレイヤーの主な操作
- 1回のプレイにかかる時間
- 一人用か、複数人用か
- 繰り返し遊ぶ仕組み
- 企画独自の体験
「既存ゲームより面白い」と断定するよりも、「短時間で結果が出るため、まとまった時間を取りにくいユーザーでも遊びやすい」のように、違いが誰に役立つのかを示すほうが説得力を持たせやすくなります。
プレゼン資料は1スライド1メッセージで作る
スライドには情報を詰め込みすぎず、1枚につき伝えたい内容を一つに絞ります。文章を読み上げる資料ではなく、話の要点を補助する資料として作るのが基本です。
ゲーム企画では、次のようなスライド構成が使えます。
| スライド | 記載する内容 |
|---|---|
| 1枚目 | ゲームタイトルと一言説明 |
| 2枚目 | 想定ユーザーと企画の背景 |
| 3枚目 | ゲームの目的とプレイヤーの役割 |
| 4枚目 | 基本的なゲームサイクル |
| 5枚目 | 面白さと独自性 |
| 6枚目 | プレイ画面やゲーム進行の具体例 |
| 7枚目 | 制作規模、必要な機能、対応 platform |
| 8枚目 | 制作スケジュールと必要な体制 |
| 9枚目 | 企画のまとめと判断してほしい内容 |
画面イメージを使う場合は、画像を見せるだけでなく、「この画面でプレイヤーが何を選び、選択後に何が変わるのか」を口頭で説明します。完成していない画面は、実装済みと誤解されないように、コンセプト画像や試作画面であることを明示してください。
ゲームの流れはゲームサイクルで見せる
ゲームサイクルとは、プレイヤーが繰り返す基本的な行動の流れです。ゲームの中身を説明するときは、次のような循環で示すと理解されやすくなります。
- ステージや課題に挑戦する
- 報酬や情報を獲得する
- キャラクターや装備を強化する
- 新しい選択肢を使って、再び課題に挑戦する
この流れの中で、どこに判断や工夫があるのかを説明します。たとえば、報酬をすぐに使うか、次のステージのために残すかによって結果が変わるなら、その選択がゲームの面白さになります。
プレゼンでは、ゲーム全体の機能をすべて紹介するより、1回のプレイを具体的に追うほうが伝わります。「ゲーム開始から最初の10分で何をするか」を説明すると、聞き手が実際の体験を想像しやすくなります。
制作の実現性は具体的な条件で示す
企画を通すには、面白さだけでなく、実際に制作できる見通しも必要です。制作期間や人数が未確定の場合は、決まっていないことを決定事項のように話さず、前提条件を置いて説明します。
確認しておきたい項目は次のとおりです。
- 対応する機種や platform
- 一人用か、オンライン機能を使うか
- 必要なステージ数やキャラクター数
- 必要なグラフィック、音楽、シナリオの量
- セーブや通信などの技術的な機能
- 試作、テスト、修正に必要な期間
- 制作担当者と外部委託の有無
特に、オンライン対戦、複数人協力、自由度の高いマップ、大量のシナリオなどは、企画の規模に大きく影響します。魅力的な機能を紹介するときは、その機能が必要な理由と、制作上の負担も合わせて説明しましょう。
試作版で確かめる内容を決める
ゲーム企画の初期段階では、すべての要素を完成させるより、面白さの中心を試せる小さな試作版を作る方法があります。
たとえば、戦闘が企画の中心なら、物語や大量のステージを先に作るのではなく、基本操作、敵との駆け引き、報酬による成長だけを試します。プレゼンでは、「試作版で何を確認するのか」を明確にすると、企画を検証する姿勢が伝わります。
プレゼンで話すときのコツ
話す内容は、スライドに書いた文章をそのまま読むのではなく、スライドにない補足情報を加えます。聞き手が迷いそうな言葉は、短い例を使って説明してください。
- 最初に結論や企画の魅力を話す
- 専門用語を使うときは、その場で意味を説明する
- ゲームの流れをプレイヤーの視点で話す
- 数字を出すときは、対象と前提条件を示す
- 一つの説明を長く続けず、画面や図に切り替える
- 最後に、聞き手に判断してほしい内容を伝える
たとえば、「この機能を入れたい」と話すだけで終わらせず、「この機能によって、短時間のプレイでも毎回異なる選択が生まれるため、繰り返し遊ぶ理由になります」と、企画上の意味まで示します。
ゲーム企画のプレゼンで避けたい説明
次のような説明は、企画の評価に必要な情報が不足しやすいため注意が必要です。
設定の説明だけで終わる
世界観やキャラクターの設定は魅力的でも、プレイヤーが何をするゲームなのか分からなければ、ゲーム企画として判断できません。設定の後には、必ず操作、目的、ゲームの流れを続けます。
「面白い」「画期的」と感想だけを述べる
感想ではなく、面白さが生まれる仕組みを示します。「プレイヤーが毎回異なる組み合わせを選び、その結果を次の攻略に生かす」といった説明なら、面白さの根拠を確認できます。
機能を増やしすぎる
機能を多く紹介すると豪華に見える一方で、企画の中心が分かりにくくなります。企画の魅力に直接つながらない機能は、優先順位を下げるか、今後の追加案として分けて説明します。
制作条件を曖昧にする
制作人数や期間が未定でも問題ありません。ただし、「未定」「仮置き」「今後検証する項目」を区別してください。未確認の予算、売上、制作期間などを確定した数字として示すと、企画全体への信頼性を損ねる可能性があります。
ゲーム企画プレゼンの確認項目
プレゼン前には、次の質問に答えられるか確認します。
- このゲームを一文で説明できるか
- 誰に遊んでほしいのか明確か
- プレイヤーの最初の行動が分かるか
- 何を繰り返すゲームなのか説明できるか
- 面白さが生まれる選択や工夫があるか
- 他のゲームと比べた違いを説明できるか
- 必要な制作条件を整理できているか
- 試作で何を検証するか決まっているか
- 最後に何を判断してほしいのか伝えられるか
この質問に答えられない項目がある場合は、スライドの見た目を整える前に企画内容を補足します。特に「誰が」「何をして」「なぜ面白いのか」の3点は、冒頭から最後まで内容がずれないようにします。
ゲーム企画をプレゼンする方法のまとめ
ゲーム企画のプレゼンでは、最初にゲームの魅力を一言で示し、その後に想定ユーザー、遊び方、面白さ、独自性、制作条件の順で説明します。
「面白そう」だけでなく、「誰がどのように遊び、なぜ繰り返したくなり、どの条件なら作れるのか」まで具体化することが、企画を伝えるポイントです。まずは企画を一文にまとめ、次にプレイヤーの最初の10分の流れを整理すると、プレゼン資料を作り始めやすくなります。







