ゲーム企画書のテンプレートには、ゲームの概要だけでなく、「誰に、どんな体験を、どのように提供するか」と「実現できる計画か」を盛り込みます。最低限、企画概要、ゲームシステム、ターゲット、世界観・ストーリー、画面イメージ、制作計画、収益計画を入れると、企画の全体像が伝わりやすくなります。
ただし、社内プレゼン用、コンテスト応募用、開発チーム向けなど、目的によって必要な詳しさは変わります。まずは短く読める概要版を作り、必要に応じて詳細を追加する方法が実用的です。
ゲーム企画書の基本テンプレート
以下の項目を順番に埋めると、ゲーム企画書の骨組みを作れます。すべてを長文で書く必要はなく、読み手が短時間で内容を理解できるように整理することが大切です。
- 企画タイトル
- 企画概要
- ゲームのコンセプト
- ターゲットユーザー
- 対応プラットフォーム
- ジャンルとプレイ人数
- ゲームシステム
- プレイヤーの目的とゲームの流れ
- 世界観・ストーリー
- キャラクター・敵・ステージ
- 画面イメージ・操作方法
- 競合ゲームとの差別化
- 制作体制・スケジュール
- 収益方法・販売方法
- 必要な開発費・リスク
1. 企画タイトルと企画概要
最初に、ゲームの内容を一文から数文で説明します。タイトルだけで内容が分からない場合は、サブタイトルや短い説明を添えると読み手が理解しやすくなります。
記載する内容
- ゲームタイトル
- ジャンル
- 対応機種やプラットフォーム
- 想定プレイ時間やプレイスタイル
- ゲームの最大の特徴
企画概要は、「何をするゲームなのか」「どこが面白いのか」が伝わるように書きます。たとえば「限られた時間で街を探索し、集めた素材から自分だけの道具を作る協力型アドベンチャー」のように、行動と魅力をまとめると具体的です。
2. ゲームのコンセプト
コンセプトには、ゲームを通じてプレイヤーにどのような体験を提供したいのかを書きます。機能の一覧ではなく、企画の中心となる考え方を示す項目です。
テンプレート例
- プレイヤーに感じてほしいこと:例)仲間と協力して危機を乗り越える達成感
- ゲームの中心体験:例)短時間の探索と、結果を踏まえた作戦変更
- 企画の一言説明:例)毎回変化する災害に対応する協力型サバイバルゲーム
- 企画の特徴:例)1プレイが短く、失敗しても次の作戦に活かせる
コンセプトとゲーム内容が一致しているかも確認します。「初心者でも楽しめる」と書くなら、複雑すぎる操作や長時間のチュートリアルが企画の中心になっていないかを見直します。
3. ターゲットユーザーと利用シーン
誰に向けたゲームなのかを明確にします。「すべての人」では企画の判断基準になりにくいため、年齢層、ゲーム経験、好み、遊ぶ場面などを具体化します。
テンプレート例
- 主な対象:例)短時間で遊べる協力ゲームを探しているゲーム経験者
- 年齢層:例)高校生以上
- ゲーム経験:例)アクションゲームを日常的に遊ぶ人
- 利用シーン:例)友人と通話しながら、1回15分程度遊ぶ
- ユーザーの期待:例)毎回異なる展開、協力による達成感
ターゲットを決めると、難易度、操作方法、画面の情報量、価格、宣伝方法などを判断しやすくなります。
4. ジャンル・プラットフォーム・プレイ形式
ゲームの基本仕様を一覧で示します。読み手が企画の規模や開発上の前提を把握できる項目です。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| ジャンル | アクション、RPG、パズル、シミュレーションなど |
| 対応プラットフォーム | スマートフォン、PC、家庭用ゲーム機など |
| プレイ人数 | 1人、協力2〜4人、対戦形式など |
| 操作方法 | タッチ操作、コントローラー、キーボード・マウスなど |
| 1回のプレイ時間 | 短時間型、長時間型、プレイ時間を選択できる形式など |
| 提供形式 | 買い切り、基本無料、ダウンロード販売など |
対応プラットフォームによって、操作方法、画面サイズ、必要な性能、審査、販売方法などが変わります。未定の項目は無理に確定せず、「候補」や「検討中」と明記します。
5. ゲームシステムと面白さの仕組み
ゲームシステムでは、プレイヤーが何をして、どのような結果を得るのかを説明します。単に機能を並べるのではなく、プレイヤーの行動と面白さの関係を示すことが重要です。
記載する内容
- プレイヤーが最初に行うこと
- ゲーム中の基本行動
- 行動によって得られる報酬や変化
- 失敗した場合の扱い
- プレイを続ける理由
- ゲームが進むにつれて増える要素
説明のテンプレート
- プレイヤーはゲーム開始時に、キャラクターや装備を選択する。
- ステージ内を探索し、必要なアイテムや情報を集める。
- 集めたものを使って課題を解決し、次のエリアへ進む。
- プレイ結果に応じて新しい能力やステージが開放される。
- 開放された要素を使い、より難しい課題に挑戦する。
この流れに、「なぜ面白いのか」を加えます。たとえば、選択によって結果が変わる、他のプレイヤーと役割分担できる、失敗するたびに攻略方法が増える、といった要素です。
6. プレイヤーの目的とゲームの進行
プレイヤーが何を達成すればよいのかを明確にします。目的が分かりにくいと、ゲームの魅力や必要な機能も伝わりにくくなります。
書き出す項目
- 最終的な目的
- 1プレイごとの目的
- ゲーム開始から終了までの流れ
- ステージやクエストの進行方法
- クリア条件と失敗条件
- 成長や収集の仕組み
「探索する」「戦う」だけで終わらせず、何を目指してその行動をするのかまで書くと、ゲームデザインの一貫性を確認できます。
7. 世界観・ストーリー・キャラクター
ストーリーや世界観は、ゲームプレイを補強する範囲で整理します。長い小説のように書くよりも、ゲームの目的や行動と結び付ける方が企画書では伝わりやすくなります。
テンプレート例
- 舞台:どのような場所や時代なのか
- 状況:ゲーム開始時に何が起きているのか
- 主人公:プレイヤーは誰を操作するのか
- 目的:主人公は何を達成しようとするのか
- 対立や課題:目的を妨げるものは何か
- キャラクターの関係:仲間や敵とどのような関係にあるのか
- 物語の進み方:ステージ、会話、選択肢など
キャラクターを複数登場させる場合は、名前、役割、能力、性格、ゲーム内での役割を表にすると整理しやすくなります。
8. 画面イメージと操作方法
画面イメージは、完成度の高いイラストでなくても構いません。タイトル画面、ゲーム中の画面、メニュー画面など、企画を理解するために必要な画面を示します。
入れると伝わりやすい画面
- ゲーム開始画面
- メインとなるプレイ画面
- キャラクターや装備の選択画面
- ステージ選択画面
- リザルト画面
- 課金や購入がある場合の関連画面
画像の近くには、各ボタンの役割、プレイヤーが見る情報、操作方法を書き添えます。画面を見た人が「この画面で何をして、次にどこへ進むのか」を理解できる状態が目安です。
9. 競合ゲームとの差別化
似たゲームと比べたときの違いを示します。競合を挙げるだけでなく、どの要素で差をつけるのか、その差がターゲットにとってなぜ価値があるのかを書きます。
| 比較項目 | 企画ゲーム | 類似ゲーム |
|---|---|---|
| 中心となる体験 | 企画の特徴を記載 | 比較対象の特徴を記載 |
| 操作やルール | 企画の仕組みを記載 | 比較対象の仕組みを記載 |
| プレイ時間 | 想定時間を記載 | 確認できる範囲で記載 |
| 対象ユーザー | 想定する対象を記載 | 比較対象の対象を記載 |
| 差別化のポイント | 企画独自の価値を記載 | 比較対象との違いを記載 |
「独自性がある」とだけ書くのではなく、ゲームシステム、遊ぶ時間、マルチプレイ、物語の見せ方など、比較できる項目に分けて説明します。
10. 制作体制とスケジュール
実現可能性を伝えるため、誰が何を担当し、どの段階で何を完成させるのかを示します。個人制作でも、必要な作業を分解して記載すると計画が明確になります。
テンプレート例
| 段階 | 主な作業 | 完了の目安 |
|---|---|---|
| 企画・設計 | ルール、画面、仕様の整理 | 企画内容と基本仕様が決まっている |
| 試作 | 主要な操作やゲームの流れを実装 | 面白さを試せる状態になっている |
| 本制作 | ステージ、素材、演出、機能を制作 | 必要な要素が一通り入っている |
| テスト・調整 | 不具合修正、難易度や操作性の調整 | 公開前の確認が完了している |
| 公開準備 | 申請、販売ページ、宣伝素材の準備 | 公開に必要な準備が整っている |
担当者を書く場合は、企画、プログラム、デザイン、サウンド、シナリオ、テストなどの役割ごとに分けます。担当者が未定の場合は、未定であることと、必要なスキルを記載します。
11. 収益方法と販売方法
商用ゲームの場合は、どのように提供し、どこから収益を得るのかを記載します。収益方法が未定なら、複数の案を並べ、それぞれの条件や課題を示します。
- 買い切り販売
- 基本無料と追加コンテンツ
- 月額制やシーズン制
- 広告を利用した提供
- 追加キャラクターやアイテムの販売
ゲームの内容と収益方法が合っているかも確認します。たとえば、短時間で完結する買い切りゲームと、継続的なプレイを前提とする運営型ゲームでは、必要な機能や制作体制が異なります。
12. 開発費・必要な素材・リスク
必要な費用や制作上の課題を整理します。金額を確定できない段階では、推測で細かな数字を記載せず、費用が発生する項目を洗い出します。
確認する項目
- 開発ツールやサービスの費用
- イラスト、3Dモデル、音楽、効果音の制作費
- 外注費や人件費
- テストや品質確認にかかる費用
- 販売プラットフォームに関係する費用や条件
- 宣伝や広告にかかる費用
- 技術的に難しい機能
- 制作期間が延びる可能性のある作業
リスクには、問題が起きた場合の対応案も添えます。たとえば、オンライン対戦の実装が難しい場合に、まずは1人用の試作を完成させるといった代替案です。
そのまま使えるゲーム企画書テンプレート
以下の項目をコピーして、企画内容に合わせて記入できます。未定の項目は空欄にせず、「検討中」「候補A・候補B」のように現在の状態を残すと、後から判断しやすくなります。
- 企画タイトル:
- 企画概要:誰が、何をして、どのような体験を得るゲームか
- コンセプト:
- 主なターゲット:
- 想定する利用シーン:
- ジャンル:
- 対応プラットフォーム:
- プレイ人数:
- 1回のプレイ時間:
- 操作方法:
- プレイヤーの最終目的:
- 基本的なゲームの流れ:
- 面白さのポイント:
- 成長・収集・報酬の仕組み:
- 世界観:
- ストーリー:
- 主なキャラクター:
- ステージやゲーム内コンテンツ:
- 画面・操作イメージ:
- 類似ゲーム:
- 差別化できる点:
- 制作体制:
- 制作スケジュール:
- 提供方法・収益方法:
- 必要な費用:
- 想定されるリスクと対応策:
読み手に伝わる企画書にするチェックポイント
完成したら、次の点を確認します。特に重要なのは、ゲームの魅力と具体的な遊び方が一致しているかどうかです。
- 冒頭だけで、どのようなゲームか分かる
- ターゲットとゲーム内容が合っている
- プレイヤーの目的とゲームの流れが明確である
- 「面白い理由」を具体的な仕組みで説明できている
- 画面イメージと文章の内容が一致している
- 類似ゲームとの違いが比較項目で示されている
- 実装できる範囲と未確定の部分が区別されている
- 制作体制やスケジュールに無理がない
- 必要な費用やリスクを見落としていない
ゲーム企画書は、項目をすべて埋めることが目的ではありません。誰にどんなゲーム体験を届けるのか、そのために何を作るのかが一貫していることが重要です。まずは企画概要、コンセプト、ターゲット、ゲームの流れを作り、その後に世界観や制作計画を加えると整理しやすくなります。







