ゲーム企画書は、ゲームの面白さと実現方法を短く具体的に伝える資料です。書き方の基本は、最初に「誰に、どんな体験を提供するゲームか」を決め、その後にゲームの流れ、特徴、制作条件を整理することです。
アイデアを並べるだけでは、企画の良し悪しや実現可能性が伝わりません。読み手が短時間で内容を理解し、「遊んでみたい」「制作できそう」と判断できる構成にしましょう。
ゲーム企画書に入れる基本項目
ゲーム企画書には、次の項目を入れると企画の全体像が伝わりやすくなります。企画の目的や提出先によって、項目の順番や詳しさは調整してください。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| タイトル | ゲームの仮タイトルと、内容が伝わる短い説明 |
| 企画概要 | どんなゲームなのかを1〜3文で説明 |
| コンセプト | 誰に、どんな体験を提供するゲームなのか |
| 対象ユーザー | 年齢層、ゲーム経験、好みなど |
| ゲームジャンル | アクション、RPG、パズルなど |
| 対応 platform | スマートフォン、PC、家庭用ゲーム機など |
| ゲームの流れ | プレイヤーが何をして、どう進行するのか |
| 面白さのポイント | 既存のゲームとの違いや、企画独自の魅力 |
| 画面や操作の例 | プレイ画面、操作方法、画面遷移など |
| 収益方法 | 買い切り、広告、アイテム販売など。必要な場合のみ記載 |
| 制作規模 | 開発期間、人数、必要な素材や技術 |
| 課題と対策 | 制作上のリスクと、実現するための方法 |
すべての項目を詳しく書く必要はありません。企画を判断するために必要な情報を優先し、読み手が疑問に思いそうな部分を補足します。
ゲーム企画書の書き方を6段階で整理する
ゲーム企画書は、思いついた順に書くよりも、企画の核から順番に固めると作りやすくなります。
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企画の目的を決める
まず、誰に企画を見せるための資料なのかを決めます。社内で開発の承認を得るのか、チームメンバーを集めるのか、学校やコンテストに提出するのかによって、必要な情報は変わります。
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コンセプトを1文で書く
「誰が」「何をして」「どんな体験をする」ゲームなのかを1文にします。たとえば、「短時間で遊びたい人が、毎回変化する迷宮を攻略するローグライクアクション」のように書きます。
この1文でゲームの内容が想像できない場合は、企画の軸がまだ曖昧な可能性があります。
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プレイヤーの行動を順番に整理する
プレイヤーがゲームを始めてから終了するまでの流れを書き出します。次のように、動作を具体的な言葉で並べると伝わりやすくなります。
- ステージを選ぶ
- 敵や仕掛けを突破する
- 報酬を獲得する
- キャラクターを強化する
- より難しいステージに挑戦する
「自由に遊べる」「奥深い」といった表現だけでは、実際の遊び方が分かりません。プレイヤーが画面上で何をするのかを動詞で説明しましょう。
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面白さの理由を説明する
面白さのポイントは、単なる機能の一覧ではなく、プレイヤーがどのように感じるのかまで書きます。
たとえば、「武器をたくさん用意する」ではなく、「武器の組み合わせによって毎回異なる戦い方を試せるため、同じステージでも攻略方法が変わる」と説明します。
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画面や操作を見える形にする
文章だけでは、ゲームの操作感や画面構成は伝わりにくいものです。プレイ画面のラフ、画面遷移図、操作ボタンの配置などを加えると、企画の理解が進みます。
絵が得意でなくても、画面の枠とボタン、キャラクターの位置を簡単に示すだけで役立ちます。重要なのは完成したイラストではなく、ゲームの仕組みが分かることです。
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実現できる規模か確認する
最後に、必要な人数、制作期間、技術、素材の量を考えます。魅力的な企画でも、現在の体制で作れない場合は、企画の範囲を小さくする必要があります。
すべてを最初から完成させようとせず、ゲームの面白さを確認できる最小限の試作品を考えると、実現可能性を判断しやすくなります。
冒頭の企画概要は短く具体的に書く
企画書の冒頭には、ゲームの概要を短く書きます。最初の数行で内容が伝わらないと、後のページまで読まれない可能性があります。
企画概要には、次の要素を入れると整理しやすくなります。
- ゲームのジャンル
- プレイヤーが行うこと
- 特徴的な仕組み
- 提供したい体験
たとえば、次のように書きます。
「本作は、限られた時間でステージを攻略する2人協力型パズルゲームです。プレイヤーは互いに異なる情報を見ながら、声を掛け合って仕掛けを解きます。短時間でも協力する楽しさを味わえることを特徴とします。」
この例は仮定の企画ですが、「ジャンル」「行動」「特徴」「体験」が含まれているため、内容を把握しやすくなっています。
コンセプトは「誰に何を感じてほしいか」で考える
コンセプトを書くときは、ゲームの機能ではなくプレイヤーの体験を中心に考えます。「高性能なグラフィック」「多くのステージ」といった要素だけでは、企画の目的が伝わりません。
次の形にすると、コンセプトを作りやすくなります。
「誰に」+「何をしてもらい」+「どんな気持ちになってもらうか」
たとえば、「忙しい人に、1回5分の判断ゲームを遊んでもらい、短時間でも達成感を味わってもらう」と整理できます。対象ユーザーと体験が決まると、ステージの長さや操作の複雑さも判断しやすくなります。
ゲームの面白さは「特徴」と「理由」をセットで書く
企画書では、ゲームの特徴だけでなく、その特徴が面白さにつながる理由も説明します。
| 分かりにくい書き方 | 伝わりやすい書き方 |
|---|---|
| キャラクターを自由に育成できる | 育成方針によって役割が変わり、同じステージでも異なる攻略方法を選べる |
| オンラインで対戦できる | 短時間の対戦で勝敗が決まるため、待ち時間を抑えて繰り返し遊べる |
| ストーリーが豊富 | 選択によって登場人物の関係が変化し、結末を見比べられる |
このように、「何があるか」だけでなく、「その結果、プレイヤーが何を楽しめるか」を書くことが重要です。
既存ゲームとの違いは、比較項目をそろえて示す
新しいゲームの企画では、既存のゲームと何が違うのかを説明します。ただし、「完全に新しい」「他にない」といった断定は、根拠を示しにくいため避けたほうが安全です。
次のように、同じ項目で比較すると違いが伝わります。
| 比較項目 | 一般的な同ジャンル作品 | 今回の企画 |
|---|---|---|
| 1回のプレイ時間 | 長めのステージを進める | 短いステージを繰り返す |
| 攻略方法 | 装備やレベルを強化する | プレイ中の判断で組み合わせを変える |
| 主な体験 | キャラクターを成長させる | その場で最適な方法を考える |
比較対象が実在の特定作品である場合は、実際の仕様を確認してから記載します。確認していない作品の機能や評価を、事実のように書かないようにしましょう。
ゲームの流れはプレイヤーの操作順に書く
ゲームの流れは、企画書を読む人が実際のプレイを想像できるように、プレイヤーの操作順で説明します。
- タイトル画面でゲームモードを選ぶ
- 使用するキャラクターや装備を選ぶ
- ステージ内を移動する
- 敵や仕掛けに対応する
- 条件を達成して報酬を受け取る
- 報酬を使って次の挑戦を準備する
この流れに加えて、「どこで判断するのか」「失敗するとどうなるのか」「再挑戦する理由は何か」を書くと、ゲームサイクルがより明確になります。
ゲームサイクルとは、プレイヤーが繰り返す基本の流れです。たとえば「挑戦する、報酬を得る、強化する、さらに難しい挑戦をする」という循環がこれに当たります。
企画書のページ構成は読み手に合わせて調整する
ページ数に決まりがない場合でも、最初から細部を詰め込みすぎないことが大切です。短い企画書なら、次のような構成にできます。
- タイトルと企画概要
- コンセプトと対象ユーザー
- ゲームの流れ
- 面白さのポイント
- 画面や操作のイメージ
- 制作規模と今後の課題
企画の承認を求める資料では、面白さだけでなく、制作期間や必要な人員も重要です。一方、アイデアを共有する初期段階では、細かな収益計画よりも、ゲームの体験と仕組みを優先してよい場合があります。
ゲーム企画書でよくある失敗
アイデアを詰め込みすぎる
機能を増やすほど面白くなるとは限りません。複数の要素を入れる場合は、それぞれがコンセプトやゲームの面白さにどうつながるかを確認します。
世界観の説明が長く、遊び方が分からない
ストーリーや設定は魅力になりますが、ゲーム企画書ではプレイヤーが何をするのかを先に示します。世界観の説明を読んでも操作や目的が分からない場合は、ゲームの流れを前に移してください。
「面白い」「新しい」だけで終わる
評価を表す言葉だけでは、根拠が伝わりません。「なぜ面白いのか」「どの場面で新しさを感じるのか」を、プレイヤーの行動や画面の変化で説明します。
制作条件を考えていない
必要なステージ数、キャラクター数、オンライン機能、対応端末などを整理しないと、実現できる規模か判断できません。企画の魅力を残しながら、最初に作る範囲を絞ることも大切です。
文章だけで説明している
ゲームは画面や操作が重要なため、文章だけでは伝わりにくい部分があります。簡単な画面ラフ、操作図、ゲーム進行図を加えると、読み手の理解を助けられます。
提出前に確認するチェック項目
完成したゲーム企画書は、次の順番で確認すると修正点を見つけやすくなります。
- 冒頭だけで、どんなゲームか分かるか
- 対象ユーザーが具体的になっているか
- プレイヤーが最初に何をするか分かるか
- ゲームを繰り返し遊ぶ理由が説明されているか
- 面白さの特徴と、その理由がつながっているか
- 既存作品との違いを具体的に示しているか
- 画面や操作を想像できるか
- 制作に必要な人数や期間を考えているか
- 未確認の実績や市場データを断定していないか
- 読み手に求める判断や行動が明確か
特に重要なのは、企画書を読んだ人が「このゲームでプレイヤーは何をするのか」を説明できることです。説明できない部分があれば、抽象的な表現を具体的な操作やゲームの流れに置き換えます。
ゲーム企画書の書き方の要点
ゲーム企画書は、コンセプト、プレイヤーの行動、面白さの理由、実現方法の順に整理すると書きやすくなります。
まずは「誰に、どんな体験を提供するゲームか」を1文で決め、その後にゲームの流れと画面イメージを追加してください。最後に制作規模と課題を確認すれば、アイデアだけで終わらない、判断しやすい企画書になります。







