ゲーム業界の職務経歴書はどう書けばいい?

ゲーム業界の職務経歴書はどう書けばいい?

ゲーム業界の職務経歴書は、担当したゲームタイトルや工程、役割、使用ツール、成果を具体的に書くことが重要です。単に「ゲーム開発に携わった」と書くのではなく、どの職種で、何を担当し、どのような工夫や成果につなげたかが伝わる形に整えます。

応募先によって重視される内容は異なります。企画職なら仕様作成や分析、エンジニアなら開発環境や技術、デザイナーなら制作物や担当範囲を中心に記載しましょう。

ゲーム業界の職務経歴書に書く基本項目

職務経歴書には、次の項目を入れると経験が伝わりやすくなります。

  • 職務要約
  • 職務経歴
  • 担当したゲームタイトルやプロジェクト
  • 担当業務と役割
  • 使用ツール・開発環境
  • 実績・工夫したこと
  • 保有スキル・資格
  • 自己PR

ゲーム業界では、同じ職種名でも会社によって担当範囲が異なります。そのため、「ゲームプランナー」「3Dデザイナー」といった職種名だけでなく、実際に担当した工程や成果物まで書くことが大切です。

冒頭の職務要約は3〜5行で経験を伝える

職務要約では、経験年数、職種、担当ジャンル、対応できる工程を短くまとめます。採用担当者が最初に確認する部分なので、応募先で活かせる経験を優先して書きましょう。

たとえば、ゲームプランナーの場合は次のようにまとめられます。

【記載例】
スマートフォン向けゲームを中心に、約5年間ゲームプランナーとして勤務。企画立案、仕様書作成、イベント設計、KPI分析、運営改善を担当しました。複数職種と連携しながら、リリース後の運営施策や機能改修にも携わっています。

経験年数やタイトル数などは、実際の経歴に合わせて記載してください。担当していない工程まで対応できるように見せる表現は避けます。

職務経歴はプロジェクト単位で書くと分かりやすい

ゲーム業界の職務経歴は、会社単位だけでなく、担当したプロジェクト単位で整理すると仕事内容が伝わりやすくなります。次の項目をそろえると、採用担当者が経験を比較しやすくなります。

  • プロジェクト名またはゲームの種類
  • プラットフォーム
  • ゲームジャンル
  • 開発・運営期間
  • チーム規模
  • 担当職種・役割
  • 担当した工程
  • 使用ツールや開発環境
  • 成果や改善内容

公開前のタイトルや守秘義務のある案件は、正式名称や具体的な数値を書けない場合があります。その場合は「スマートフォン向けRPG」「コンシューマー向けアクションゲーム」のように、開示できる範囲で記載します。

プロジェクト欄の記載例

【記載例】

  • 案件概要:スマートフォン向けファンタジーRPGの運営・機能改修
  • 期間:20XX年X月〜20XX年X月
  • チーム規模:約15名
  • 役割:ゲームプランナー
  • 担当業務:イベント企画、仕様書作成、マスターデータ作成、スケジュール管理、データ分析、関係部署との調整
  • 使用ツール:Excel、Googleスプレッドシート、Redmine、社内管理ツール
  • 実績:ユーザー動向や過去施策の結果をもとにイベント内容を改善し、継続的な運営施策の立案に対応

「担当した」とだけ書くのではなく、企画から実装確認、リリース後の分析まで、どこまで関わったのかを示すと経験の深さが伝わります。

職種別に書くべきポイント

職種によって評価されやすい情報は異なります。応募先の求人票に記載された業務内容と照らし合わせ、関連性の高い経験を上に配置しましょう。

ゲームプランナー・ゲーム企画職

ゲームプランナーは、企画内容だけでなく、開発や運営をどのように進めたかを具体的に書きます。

  • 企画立案・企画書作成
  • 仕様書作成
  • レベルデザインやゲームバランス調整
  • イベントやキャンペーンの設計
  • マスターデータ作成
  • 開発進行・スケジュール管理
  • ユーザー動向やKPIの分析
  • デバッグ・受け入れ確認
  • 他職種や外部協力会社との調整

実績を書くときは、「イベントを企画した」だけでなく、「過去データを分析し、参加条件や報酬内容を見直した」のように、判断の根拠と工夫を加えます。売上や継続率などの数値を記載できる場合は、対象期間や施策との関係が分かるようにしましょう。

ゲームエンジニア・プログラマー

エンジニアは、使用言語やゲームエンジンだけでなく、担当した機能と開発工程を明記します。

  • 使用言語
  • Unity、Unreal Engineなどのゲームエンジン
  • 対象プラットフォーム
  • 担当した機能やシステム
  • クライアント側・サーバー側の担当範囲
  • 設計、実装、テスト、運用保守の経験
  • コードレビューや技術選定の経験
  • 負荷対策、処理速度改善、障害対応の経験

たとえば「Unityを使用」とだけ書くより、「Unityでバトル画面の実装を担当し、UI表示、アニメーション制御、データ連携まで対応」のように書く方が、実務レベルを判断しやすくなります。

ゲームデザイナー・2Dデザイナー

デザイナーは、担当した制作物と使用ツールを具体的に記載し、必要に応じてポートフォリオと対応づけます。

  • キャラクターデザイン
  • 背景・アイテム・モンスター制作
  • UI・UXデザイン
  • コンセプトアート
  • モーションや演出素材
  • 2Dイラストの制作工程
  • 外注管理やアートディレクション
  • 使用ソフトと制作環境

「イラスト制作」だけではなく、「ラフ、線画、着彩、仕上げのどこまで担当したか」「内製か外注管理か」「ゲーム内でどのように使用されたか」を示すと、担当範囲が明確になります。

3DCGデザイナー・モデラー

3DCG関連職では、制作対象と工程を分けて書きます。

  • キャラクター、背景、武器、アイテムなどの制作対象
  • モデリング
  • テクスチャ制作
  • リギング
  • ウェイト調整
  • モーション制作
  • ライティングやエフェクト
  • ゲームエンジンへの実装
  • ポリゴン数やデータ容量などの最適化経験

使用ソフトは、操作経験だけでなく、実務でどの工程に使ったかを書きます。ポートフォリオを提出する場合は、職務経歴書に作品名や担当箇所を記載し、作品との対応関係を分かりやすくしてください。

サウンドクリエイター

サウンド職では、制作物の種類と実装経験の両方を示します。

  • BGM、効果音、ボイスなどの制作経験
  • 作曲、編曲、収録、編集、MAの担当範囲
  • ゲーム内への組み込み経験
  • 音量や再生条件の調整
  • 外部制作会社や声優のディレクション
  • 使用ソフトや音源環境

タイトル名を公開できない場合でも、「バトル用BGM」「メニュー画面の効果音」など、用途を示すことで経験が伝わります。

品質管理・デバッグ担当

品質管理やデバッグの経験は、単に「テストを担当」と書くのではなく、対象と方法を具体化します。

  • 対象プラットフォーム
  • テスト対象の機能
  • テスト仕様書やテストケースの作成
  • 不具合の再現確認・起票・管理
  • リリース前の品質確認
  • テスト進行やメンバー管理
  • 開発チームとの修正確認

不具合の発見数だけで評価が決まるとは限りません。再現条件を整理した、優先度を適切に設定した、修正確認の手順を改善したなど、品質向上にどう貢献したかを書きましょう。

実績は「課題・行動・結果」でまとめる

実績欄では、担当業務の羅列よりも、課題に対して何を考え、どのように行動したかを示す方が効果的です。次の順番で整理すると書きやすくなります。

  1. どのような課題や目的があったか
  2. 自分は何を担当し、どのように対応したか
  3. その結果、何が改善されたか

【記載例】
イベントごとの仕様確認に時間がかかっていたため、確認項目を一覧化し、企画・開発・運営の各担当が進捗を共有できる管理表を作成しました。確認漏れの防止と、担当者間の認識合わせに活用しました。

具体的な数値を出せる場合は、「作業期間を約X日短縮」「不具合件数を前月比で削減」のように記載できます。ただし、数値の集計方法や自分の貢献範囲が説明できない場合は、無理に数字を使わない方が安全です。

守秘義務がある場合の書き方

未発売タイトルや社外秘の情報は、会社の規定や守秘義務に反しない範囲で記載します。次の情報は、公開可否を確認してから使いましょう。

  • ゲームタイトル名
  • 会社名や開発会社名
  • 売上、利用者数、継続率などの数値
  • 未公開の機能や開発仕様
  • 取引先や外部協力会社の情報

公開できない場合は、「大手コンシューマーゲーム会社向け案件」「スマートフォン向けオンラインゲーム」のように一般化します。守秘義務を守りながら、プラットフォーム、ジャンル、担当工程、チーム内の役割を示すことは可能です。

未経験者・異業種から応募する場合の書き方

ゲーム業界未経験の場合は、ゲーム業界での経験がないことだけを強調せず、応募職種に転用できる経験を整理します。

たとえば、次のような経験は職種との関係を説明しやすい要素です。

  • 企画書や提案書の作成
  • 顧客やユーザーの分析
  • プロジェクトの進行管理
  • 複数部署との調整
  • Webサービスやアプリの運用
  • プログラミングやデザインの自主制作
  • ゲーム制作スクールや個人制作での成果物

異業種の経験を書くときは、業務名だけでなく、ゲーム業界でどう活かせるかを添えます。たとえば「ECサイトのアクセス分析を担当」と書いた後に、「ユーザー行動をもとに改善案を作成した経験は、ゲーム運営における施策分析にも活かせる」とつなげます。

自己PRではゲーム好きだけで終わらせない

ゲームが好きという気持ちは応募理由になりますが、自己PRでは仕事に活かせる行動や能力まで書くことが必要です。

【記載例】
ユーザーの行動を観察し、課題を整理して改善案に落とし込むことを得意としています。前職では問い合わせ内容や利用データを分類し、改善優先度を整理して関係部署へ提案しました。ゲーム運営においても、ユーザーの反応を確認しながら、継続的な改善に取り組みたいと考えています。

「ゲームを毎日プレイしている」「幅広いジャンルを知っている」といった内容を書く場合は、どのような分析や制作に結びつけているかを示すと、業務への意欲が伝わりやすくなります。

提出前に確認するチェックリスト

職務経歴書を提出する前に、次の点を確認してください。

  • 応募する職種と関連する経験が冒頭から分かるか
  • 担当したタイトルや案件の種類が分かるか
  • 自分の担当範囲とチームの成果を混同していないか
  • 使用ツールや開発環境を実務経験とともに書いているか
  • 成果の数値に対象期間や条件があるか
  • 守秘義務に反する情報を含めていないか
  • ポートフォリオの作品と担当箇所が対応しているか
  • 求人票にある業務内容と経験の説明がつながっているか
  • 誤字脱字や在籍期間の不整合がないか

特に重要なのは、応募先の求人内容に合わせて順番を変えることです。コンシューマーゲームの開発職に応募するなら開発工程や実装経験を、運営タイトルの企画職に応募するならイベント設計やデータ分析を上位に記載します。

ゲーム業界の職務経歴書は、タイトル名の一覧ではなく、自分が担当した工程と、仕事によって生み出した結果を伝える書類です。まず応募職種に関係するプロジェクトを選び、「何を担当したか」「どのように進めたか」「何が改善されたか」の順に整理すると、書くべき内容が明確になります。