ゲームUIデザイナーのポートフォリオには、完成画面だけでなく、どのような課題に対して、何を考え、どう設計したかが分かる作品を載せます。UI画面、遷移図、ワイヤーフレーム、デザインの意図、担当範囲、制作環境まで示すと、ゲーム画面をきれいに作れるだけでなく、遊びやすさまで考えられることを伝えられます。
ゲームUIデザイナーのポートフォリオに載せる基本項目
1作品につき、次の情報をそろえると、採用担当者が制作内容を判断しやすくなります。
- 作品名またはプロジェクト名
- ゲームのジャンルと対応プラットフォーム
- 作品の概要とUIの目的
- 自分の担当範囲
- 制作期間
- 使用したソフトや制作環境
- 画面デザインと画面遷移
- 設計やデザインで工夫した点
- 制作途中の案と改善の過程
- 完成後に分かったことや今後の改善点
実務作品の場合は、公開できる範囲を守ることが重要です。未公開ゲームの画面、社外秘の仕様、許可されていない画像やロゴは掲載せず、必要に応じて権利者や所属会社に確認します。
完成したUI画面を載せる
まずは、ゲーム内でどのようなUIを作ったのかが分かる完成画面を載せます。タイトル画面だけでなく、プレイ中の情報表示、メニュー、設定、ショップ、リザルト、チュートリアルなど、担当した画面を目的別に見せると伝わりやすくなります。
ただし、画面を並べるだけでは、デザインの意図や担当範囲が分かりません。各画面の近くに「何を表示する画面なのか」「プレイヤーにどの操作をしてほしいのか」「自分はどこを担当したのか」を短く説明します。
画面ごとに説明したい内容
- 画面の役割
- 主なユーザー操作
- 優先して見せる情報
- 自分が担当した部分
- デザイン上の工夫
たとえば、バトル中のUIなら、敵やプレイヤーの状態をすぐに把握できるようにしたこと、操作を妨げない位置に情報をまとめたことなど、ゲームプレイとの関係を説明します。
画面遷移図と情報設計を載せる
ゲームUIデザイナーのポートフォリオでは、画面の見た目だけでなく、プレイヤーが目的の機能へたどり着くまでの流れも示します。画面遷移図やサイトマップのような構成図を載せると、メニューの整理方法や操作の考え方が伝わります。
画面遷移図には、画面名だけでなく、ボタンを押したときにどこへ移動するのか、戻る操作がどのように働くのかも示します。複雑な構成の場合は、全体図に加えて、重要な部分を拡大した図を用意すると読みやすくなります。
特に次のような流れは、UI設計の力を示しやすい部分です。
- ゲーム開始からプレイ画面までの流れ
- プレイ画面からポーズや設定へ移動する流れ
- アイテムや装備を選択する流れ
- ショップで購入する流れ
- チュートリアルを進める流れ
- リザルトから次の行動へ移る流れ
ワイヤーフレームやラフ案を載せる
完成デザインに至る前のワイヤーフレームやラフ案も、掲載できる範囲で載せます。これにより、装飾だけでなく、情報の優先順位や配置を考えていることを示せます。
ラフ案は数を増やすよりも、代表的な案を選び、最終案に決めた理由を説明することが大切です。たとえば、ボタンの位置を変更した理由、情報をまとめた理由、視線の流れを調整した理由などを記載します。
「A案とB案を比較し、ゲーム中に素早く確認する情報を優先して最終案を選んだ」というように、判断の基準まで書くと、制作過程が具体的になります。
デザインの意図と改善の過程を説明する
ゲームUIでは、見た目の美しさだけでなく、操作の分かりやすさ、情報の見つけやすさ、ゲームの世界観との統一が求められます。ポートフォリオでは、完成画面と一緒に「なぜこのデザインにしたのか」を説明します。
説明には、次のような観点を使えます。
- プレイヤーが最初に確認すべき情報は何か
- 画面内の情報にどのような優先順位を付けたか
- 操作できる場所をどのように分かりやすくしたか
- ゲームの世界観や対象年齢に合わせて何を調整したか
- 文字の大きさ、色、余白、アイコンをどう使い分けたか
- 誤操作や見落としを減らすために何をしたか
「かっこよくした」「見やすくした」だけで終わらせず、どの課題に対する工夫なのかを示しましょう。
自分の担当範囲を明確にする
チーム制作の作品では、プロジェクト全体の成果と自分の成果を分けて書きます。UIデザインだけを担当したのか、仕様整理、画面設計、アイコン制作、演出、実装確認まで関わったのかを明記してください。
複数人で制作した作品には、次のような情報を添えると誤解を防げます。
- チームの人数や役割
- 自分が担当した画面や機能
- 他の担当者が制作した部分
- ディレクターやプランナーとの連携内容
- エンジニアとの実装確認や修正対応
担当していない部分まで自分の実績として見せると、面接や課題の確認で説明できなくなる可能性があります。自分が行った作業を具体的に区切って記載しましょう。
ゲーム画面以外に載せるとよい制作物
ゲームUIデザイナーのポートフォリオでは、実際の画面だけでなく、UI制作に必要な周辺資料も役立ちます。作品との関係が分かるように整理して載せてください。
- ボタンやアイコンのデザイン
- フォントや色のルール
- UIコンポーネントの一覧
- 画面サイズや解像度に合わせたレイアウト例
- 2D素材や簡単なモーションの例
- 操作説明やチュートリアルの設計
- ゲームパッド、キーボード、タッチ操作への対応例
ただし、ゲーム画面と関係のないロゴやイラストを大量に並べると、ゲームUIのポートフォリオとしての焦点がぼやけます。掲載する制作物は、UI設計やゲーム体験との関係を説明できるものを優先します。
未経験者や学生は自主制作も載せられる
実務経験が少ない場合は、自主制作、学校課題、ゲーム制作イベントの作品、既存ゲームを参考にしたUI提案などを載せられます。実案件でない作品は、自主制作や課題制作であることを明記してください。
自主制作では、次の条件を自分で設定すると作品の説明がしやすくなります。
- ゲームのジャンル
- 想定するプレイヤー
- 対応する端末
- ゲームの目的やルール
- 必要な画面と画面遷移
- UIで解決したい課題
既存ゲームを題材にした改善案を載せる場合は、公式のデザインや実際の仕様と、自分の提案を混同させないようにします。どこからが自分の制作物なのかを明確に示してください。
ポートフォリオの作品ページはこの順番で構成する
作品ページは、採用担当者が短時間で内容を把握できる順番にします。次の構成なら、作品の概要から制作の考え方まで無理なく伝えられます。
- 作品の概要:ゲームのジャンル、対応機種、制作期間を記載する。
- 制作の目的:どのようなゲーム体験や課題に対するUIなのかを書く。
- 担当範囲:自分が担当した画面、設計、素材、実装確認などを分けて示す。
- 完成画面:代表的な画面を大きく見せる。
- 画面遷移と設計:操作の流れや情報の整理方法を説明する。
- 制作過程:ワイヤーフレーム、ラフ案、修正前後を載せる。
- 工夫した点:操作性、視認性、世界観などの観点から説明する。
- 振り返り:分かったことや、次に改善したい点を書く。
最初に代表画面を見せ、その後に設計や制作過程を説明すると、作品の印象と考え方の両方を伝えられます。画像だけで内容が分からない場合に備え、各画像には短い説明を付けます。
載せる作品数より、内容の分かりやすさを優先する
ポートフォリオに載せる作品数に決まった正解はありません。作品を増やすよりも、代表作品について「課題」「担当範囲」「設計」「完成画面」「改善点」まで説明できることを優先します。
応募先によって求められるUIが異なる場合は、応募先に近い作品を先に見せます。たとえば、家庭用ゲーム向けの応募ではゲームパッド操作や大画面での視認性、スマートフォン向けではタッチ操作や小さな画面での情報整理を示すと、応募先との関係が伝わりやすくなります。
ゲームUIデザイナーのポートフォリオで避けたい内容
次のようなポートフォリオは、作品の評価に必要な情報が不足しやすくなります。
- 完成画面の画像だけで、担当範囲が分からない
- 作品数が多い一方で、各作品の説明がほとんどない
- ゲーム画面を小さく並べていて、文字や操作部分が見えない
- 制作期間や使用ソフトが書かれていない
- ゲームの課題とUIの工夫が結び付いていない
- 自主制作と実務作品の区別がない
- 公開許可のない素材や社外秘の情報を掲載している
- 誤字、リンク切れ、表示崩れがある
特に、見た目の評価だけを求める構成にすると、UIデザイナーとしての設計力が伝わりにくくなります。画面を見せた後に、情報の優先順位や操作の流れを説明しましょう。
提出前に確認すること
完成したら、第三者が作品の情報を迷わず読み取れるかを確認します。自分では分かっている前提が、初めて見る人には伝わっていないことがあります。
- 最初にゲームの内容とUIの目的が分かるか
- 自分の担当範囲を特定できるか
- 画面遷移や操作の流れを追えるか
- 完成画面の文字やアイコンを確認できるか
- 制作過程と最終案の関係が分かるか
- 自主制作、課題、実務作品の区別があるか
- 掲載許可や権利関係に問題がないか
- URL、画像、動画、PDFが正常に表示されるか
ゲームUIデザイナーのポートフォリオでは、完成画面・担当範囲・設計の過程・デザインの理由をそろえることが基本です。まずは代表作品を1つ選び、ゲームの概要、課題、画面遷移、完成画面、制作過程の順に整理すると、UIデザインの力を具体的に伝えられます。







